東北大学総合学術博物館

THE TOHOKU UNIVERSITY MUSEUM

地球内部探査の発展

この地震波から地下構造を推定する方法を用いて、ミントロップというドイツの研究者が、人工的に爆薬などを用いて揺れを起こして陸上の地下構造を知るという手法を開発し、1917年に特許を取得します。この手法は、第一次世界大戦中には敵方の大砲の位置の特定に利用されましたが、戦後は、地下資源である石油探査に利用されるようになります。1921年にはアメリカのホクラホマ州で石油資源の探査が行われ、その後の石油探査の礎を築きます。

深海底下の構造探査方法


第2次世界大戦以降の1950年代から1960年代にかけて、世界の各地の地下構造のデータも集まり、また、データのデジタル化が学術分野で普及し始め、多くの場所の地殻の厚さが判明します。その結果、大陸部分の地殻は30km以上の厚さを示すことが多く、一方、海洋部分や海洋近くの陸地は10km以下など大陸よりも薄いことがわかってきました。

現在では、海底下構造探査法は様々な用途に利用されますが、海洋底研究における代表的な利用例としては、日本海溝や南海トラフなどプレート境界の実像の把握が挙げられます。この探査により、プレート境界ではどのようにプレートが沈み込んでいるか、また、巨大地震と津波を発生させる断層の位置などが特定できます。産業的には、石油鉱床や金属鉱床をはじめとする様々な用途に利用されています。

海洋底を調査するにあたっては、海底地形と海底下、この2つの調査を行うことで、地形および地質の3次元構造を知ることができるようになります。この方法を用いて、南海トラフのようなプレート境界において、地震を発生させる断層の位置や方向が詳細に理解できるようになりました。

深海底下の構造探査方法。(a)調査場所を示す(赤い線)(b)海底下構造探査図
(c)海底地形図と海底下構造探査図を組み合わせ、地形と地質を立体的に示した図。
Yamashita et al., 2017 (DOI: 10.1111/iar.12233)から引用

参考文献:
“Exploring Seismic Waves.”, American Oil & Gas Historical Society.(2013)

H€ubschera, C and Gohlb, K, 2014, Reflection/Refraction Seismology, Encyclopedia of Marine Geosciences(2014), DOI 10.1007/978-94-007-6644-0_128-1